・ジャンル
幕末を舞台にした時代劇です。
・キャラクター設定
山本新左衛門(新佐)
OPでは12才、本編では19才。下級武士で、山本家の当主。美形で剣の腕もそこそこ立つ。熱血漢で堅物。遊び人の父親に反発しており、酒も女もやらない。尊皇攘夷思想にかぶれ、多賀光信率いる攘夷党に加わるが、藩主暗殺計画を聞かされ、反旗を翻す。
山本和馬
OPでは45才、本編では52才。つかみどころのない飄々とした遊び人で、常に人を食ったような笑みを浮かべている。色町のことなら隅から隅まで知り尽くしている。妻(新佐の母)の葬儀の時に色町で飲んでいたことから、新佐の徹底的な軽蔑と親戚一同の不信を買い、新佐の元服とともに隠居させられた。刀はとうに飲み代に消えてしまい、差しているのは竹光。が、実は剣の達人である。かつて父親に無理矢理人を斬らされたことがあり、以来血生臭い事を避け、遊び人として暮らすようになった。
多賀光信 42才。攘夷党の党首。目的の為には手段を選ばない男。「蘭癖大名」直正を討ち、佐賀鍋島藩の国論を攘夷に傾けようとしている。プライドが異常に高く、遊女や町人を蔑んでいる。
・あらすじ(26枚)
時は幕末。佐賀鍋島藩にもまた、攘夷の嵐が吹き荒れていた。
遊び人の父和馬に反発して、多賀光信率いる「攘夷党」に加わった新佐は、藩主暗殺の大陰謀を打ち明けられる。
攘夷を取るか武士の道を取るか、母の墓前で悩む新佐の前に現れた和馬は、自分がすでにその計画を知っていることを新佐に伝える。驚き慌て、父を斬ろうとする新佐。だが、新佐を裏切り者と判断した光信が送り込んだ刺客が新佐に迫る。その刺客を倒して新佐を救ったのは意外にも和馬であった。
刺客を向けられ、覚悟を決めた新佐は陰謀を目付に暴露せんとする。だが、陰謀の暴露は攘夷党全員の死につながることを和馬に指摘され、詰まる新佐。「では、どうせよと言うのですかっ!」「知るか。てめえで考えろ」
悩み抜いた末、新佐は自分一人で光信を討つことを決意し、光信と対峙する。だが、反乱を予期した光信が伏せていた銃口の前に、危機に陥る新佐。
その時、遊女たちを率いた和馬が乱入してくる。遊女たちにしなだれかかられ押し倒され、混乱の極みに陥る一同。血を流さずに事を収めんとする和馬の作戦は成功したかに見えた。だが、「この売女どもがっ!」光信が遊女の一人を斬り殺す。
「てめえっ!侍に生まれたからって、何様のつもりだっ!」怒りに燃えた和馬は光信を斬ろうとするが、それより早く新佐が光信を斬り倒した。初めて人を斬った、しかも自分の恩師を斬った衝撃に呆然とする新佐を、優しく抱き締める和馬。
若者達の未来を救うため、全ての責任を自分一人の物として和馬は自刃する。
数日後、父の行きつけの揚屋にふらりと現れた新佐は、
「親父の供養をしたいんだよ」そう告げて、遊女たちと飲み始める。
はじめて酒を口にし、はじめて人前で涙を流す新佐。(完)